A: ご質問のように、デッキプレートを用いますと、床は無支保工か、又はスパン中央1ケ所程度の支保工になり、梁型枠に床スラブのコンクリート荷重が負荷されます。この場合の梁型枠の設計・施工上の留意点は次の通りです。
1)梁型枠材について
・梁側板型枠にデッキプレートより床コンクリート打設荷重が負荷されますので縦桟木をもうけ型枠を補強するのが望ましい方法です。(図−1参照)
・但し、梁丈750mm以下の場合、縦桟木なしの合板(厚さ12mm)のみで、スラブ厚さ30cm、スパン3mの床荷重の3倍以上の耐カのあることが実験で確認されています。
(資料−1参照;フラットデッキ工業会技術委員会が実施した実験結果より)
・又、合成デッキの場合、フラットデッキの場合と異なり端部に平坦部がないので、荷重は側板型枠に流れますので、縦桟木の重要度はフラットデッキと違ってきます。(図−2参照)
・以上のことより、含成デッキ・RC梁の現場では、梁型枠に縦桟木を用いないで施工される場合があります。
又、横桟と上部バタ材の間にのみ、束材をかまして、横桟木を補強される場合もあります。(図−3参照)
・現在、含成スラブのRC造建物への実施例は少なく、梁型枠への要求条件も多様と思いますが、一つの目安としては、梁丈750mm以上には縦桟木を用いるのがよいでしょう。
2)梁型枠支保工について
・梁の支保工は、梁のコンクリート打設荷重の他、床スラブからの荷重も考慮して設計する必要があります。一般に梁の支保工は2本柱(鳥居型支柱)とし、労働安全衛生規則に規定された構造を満足させるようにしてください。(資料−2参照)
・又、梁の支保工への負担が大きすぎる場合は、梁際に、デッキ用の支保工を設けて施工する方法も考えられます。(図−4参照)
3)合成デッキの支保工の要否について
・合成デッキのスパンが大きい場合、支保工が必要になります。合成スラブの設計・施エマニュアルに支保工の要否早見表がありますので参考にしてください。(資料−3参照) |