施工 Q−14:
床合板型枠の替わりに、デッキプレートを用いると、コンクリート打設時梁型枠に大きな荷重がかかります。これらを考慮した梁型枠の設計仕様及び施工方法を教えて下さい。
A: ご質問のように、デッキプレートを用いますと、床は無支保工か、又はスパン中央1ケ所程度の支保工になり、梁型枠に床スラブのコンクリート荷重が負荷されます。この場合の梁型枠の設計・施工上の留意点は次の通りです。

1)梁型枠材について
  ・梁側板型枠にデッキプレートより床コンクリート打設荷重が負荷されますので縦桟木をもうけ型枠を補強するのが望ましい方法です。(図−1参照)
  ・但し、梁丈750mm以下の場合、縦桟木なしの合板(厚さ12mm)のみで、スラブ厚さ30cm、スパン3mの床荷重の3倍以上の耐カのあることが実験で確認されています。
  (資料−1参照;フラットデッキ工業会技術委員会が実施した実験結果より)
  ・又、合成デッキの場合、フラットデッキの場合と異なり端部に平坦部がないので、荷重は側板型枠に流れますので、縦桟木の重要度はフラットデッキと違ってきます。(図−2参照)
  ・以上のことより、含成デッキ・RC梁の現場では、梁型枠に縦桟木を用いないで施工される場合があります。
又、横桟と上部バタ材の間にのみ、束材をかまして、横桟木を補強される場合もあります。(図−3参照)
 ・現在、含成スラブのRC造建物への実施例は少なく、梁型枠への要求条件も多様と思いますが、一つの目安としては、梁丈750mm以上には縦桟木を用いるのがよいでしょう。


2)梁型枠支保工について
  ・梁の支保工は、梁のコンクリート打設荷重の他、床スラブからの荷重も考慮して設計する必要があります。一般に梁の支保工は2本柱(鳥居型支柱)とし、労働安全衛生規則に規定された構造を満足させるようにしてください。(資料−2参照)
  ・又、梁の支保工への負担が大きすぎる場合は、梁際に、デッキ用の支保工を設けて施工する方法も考えられます。(図−4参照)


3)合成デッキの支保工の要否について
  ・合成デッキのスパンが大きい場合、支保工が必要になります。合成スラブの設計・施エマニュアルに支保工の要否早見表がありますので参考にしてください。(資料−3参照)

図−1 縦桟木を用いた梁型枠

図−2 端部納まりと荷重伝達の違い



<資料‐1>
付録9.縦さん木を用いない場合の梁側板型枠の強度実験

1.実験目的
    鉄筋コンクリート造等の梁型枠にフラットデッキを敷設する場合、そのデッキの支持材となる梁型枠のせいが比較的小さい時に縦さん木(図1参照)を用いない施工方法(図2参照)が採用されることがある。本実験では、コンクリート打設時梁側板型枠にスラブコンクリートによる鉛直荷重と梁コンクリートの側圧が作用した場合の安全性を検証した。

2.実験概要
     a.実験計画:フラットデッキ工業会(技術委員会)
     b.実験者:(財)建材試験センター
     c.実験指導:宇郡宮大学教授 上村克郎
     d.実験日時:平成7年3月7日〜27日
     e.実験場所:(財)建材試験センター 中央試験所構造試験室

3.実験方針
    設計への反映としてつぎの方程式が設計のクライテリアになることを検証した。
         型枠の強度≧デッキ端部の強度≧デッキの曲げ強度

    3‐1 梁型枠の強度確認(縦さん木がない場合の型枠強度の確認)→図3参照(実験[A])
       a.梁型枠せい750mm以上は縦さん木を必ず設けるものとし、
           梁サイズは750×400(小梁相当)を対象に、
              イ)縦さん木 : 有り、無しの2種類
              ロ)セパレータの位磁 : 200mm、300mmの2種類(型枠天端からの距離)
           をパラメータとした。
       b.梁側板型枠には鉛直力側圧を同時に作用させ、梁型枠は回転、移動しない条件とした。
       c.型枠の破壊が検証できる試験方法とした。

    3−2.フラットデッキの端部強度確認(エンドクローズ部分の強度確認)→図4参照(実験[B])
       a.縦さん木がない型枠を支持台とし、フラットデッキの種類、板厚をパラメータにとり、
           エンドクローズ部分の強度を確認した。

    3−3.実大の強度確認→図8参照(実験[C])
      a.実大の強度実験で設計のクライテリアを検証した。


<資料‐2>
付録6. 労働安全衛生規則(抄)(抜粋)


<資料‐3>
単純支持合成スラブのコンクリート打設時の支保工の要否早見表
本表は単純支持合成スラブのコンクリ一トを打設するときに,支保工の要否を検討するための限
界スパンを示します。
本表の数値は全てたわみで決まり,安全側の数値となっております。
メーカーにより断面形状に差異があるため,厳密には本表の数値はメーカーにより異なります。
従って,支保工が必要かどうかの境界線にある場合には,ご使用のデッキプレートのメーカーに
お問い合わせ下さい。
1)鋼材のヤング係数 ; E=2.1 x 106 kgf/cm2
2)コンクリートの単位体積重量  普通; 2,400 kgf/cm3
                                         軽量; 2,000 kgf/cm3
3)作業荷重        ; 150kgf/m2
4)たわみ計算式 ; δ=C・5/384・W’4/E I (C=1.2)
5)許容たわみ量 ; δA='/180 且つ2cm以下
6)網かけ部は耐火指定のある部分を示す
7)スパンのとり方
   ; 耐火指定あるいは、合成スラブの構造計算に使うスパン
  ’; コンクリート打設時に支保工が必要かどうかを検討するときに使うスパン

・鉄骨造の場合 ・RC造の場合(溝狭タイプは対象外)


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