施工 Q-08:
合成スラブデッキプレートの溶接工法には、焼抜き栓溶接、自動焼抜き栓溶接、スタッド溶接が採用されていますが、梁フランジの表面処理仕様によっては施工性が異なると思いますが、各工法の施工性に及ぼす梁表面処理仕様の影響は?
A: 梁の表面仕様は溶接施工性に大きく影響します。
         Ⅰ)にデッキ敷設条件と溶接工法の適否、
         Ⅱ)に溶接施工の特徴と対処法をまとめました。
設計時に梁に要求される表面処理仕様とデッキ溶接工法との関連を充分検討願います。

Ⅰ)デッキ敷設条件と溶接工法の適否
デッキ
板厚
(mm)
溶接
方法
梁フランジ上面の条件 デッキと梁の
隙 間
(mm)
天 候
塗装の種類 Znめっき
(どぶ漬け)
一般用
(JIS K 5621)
鉛・クロムフリー
(JIS K 5674)
鉛丹系
(JIS K 5622)
1.2
1.6
SPW × × 0~2 雨天または
寒冷の場合は
不可
APW × × 0~2
STW × × 0~1

注1. デッキの表面条件
黒皮、塗装(一般用)、Z12
2. 溶接方法の記号説明
SPW:焼抜き栓溶接、APW:自動焼抜き栓溶接、STW:デッキ貫通スタッド溶接
3. 溶接施工性の説明
○:標準的な塗装及びめっき膜厚条件内で施工可能
×:施工不可
4. 天候:鉄骨工事技術指針またはJASS6による
5. JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイントは、標準膜厚30μmで2回塗りとし
SPWのみ確認した
6. 板厚1.2+1.2mmおよび1.2+1.6mmの組み合わせ(以下、セルラーとする)は、 JIS K 5621
およびJIS K 5625* に対し、SPWのみ確認した
      *JIS K 5625 シアナミド鉛さび止めペイント は2014年4月廃止、JIS K 5674に統合
7. JIS K 5622鉛丹さび止めペイントは、2010年5月に廃止、JIS K 5674に統合されたが、膜厚の厚い塗料として過去の使用実績を考慮して記載を残している

Ⅱ)溶接施工の特徴と対処策の説明
溶接方法 施工の特徴 理由と対策例
焼抜き栓溶接 1. 梁の鉛丹系塗装に使用しない 理由: 鉛丹系塗装は、一般的に膜厚が厚くガスを噴出しやすいので溶接欠陥が多発する。
対策: 溶接する部分をマスキングして塗装しないか他の塗装をする。
2. 梁のZnめっき(どぶ漬け)に使用しない 理由: Znめっき量が多いと溶接時に多量のスパッタを発生して、焼き切れ,余盛り不足を多発する。
また、作業者への危険が大きい。
対策: 溶接する部分をマスキングしてめっきしない。*
自動焼抜き
栓溶接
1. セルラーの溶接に用いない (溶接部がデッキ1枚となるよう に処置されている場合を除く) 理由: セルラーでは、溶け込みが浅いので溶接強度にばらつきを生じる。
対策: セルラーの溶接は焼抜き栓溶接で行う。
2. 梁の鉛丹系塗装に使用しない 理由: 鉛丹系塗装は、一般的に膜厚が厚くガスを噴出しやすいので溶接欠陥が多発する。
対策: 溶接する部分をマスキングして塗装しないか他の塗装をする。
3. 梁のZnめっき(どぶ漬け)
に使用しない
理由: Znめっき量が多いと溶接時に多量のスパッタを発生して、焼き切れ,余盛り不足を多発する。
まともな溶接作業にならない。
対策: 溶接する部分をマスキングしてめっきしない。*
4. Z27のシングルデッキの
施工に注意する
理由: スパッタ量が多く余盛り径が小さくなり易い。
対策: 余盛り径が許容値を下回る場合には、溶接時間を長くする。
デッキ貫通
スタッド溶接
1. セルラーの溶接に用いない(溶接部がデッキ1枚となるように処置されている場合を除く) 理由: デッキ2枚貫通溶接は認められていない。
対策: セルラーの溶接は焼抜き栓溶接で行う。施工がスタッド溶接に限られる場合は、デッキに貫通穴を明ける。
2. 梁の鉛丹系塗装に使用しない 理由: 指針でスタッド溶接しないよう指導されている。
対策: 溶接する部分をマスキングして塗装しないか他の塗装をする。
3. 梁のZnめっき(どぶ漬け)に使用しない 理由: 指針でスタッド溶接しないよう指導されている。
対策: 溶接する部分をマスキングしてめっきしない。*

* Znめっき(どぶ漬け)の梁にマスキングしてデッキプレート及び頭付きスタッドを接合溶接する場合、溶接部周辺又は梁フランジ裏面のめっきへの熱影響の有無や、補修等を行なう場合の方法等については、設計者及び工事監理者が別途ご検討ください。



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