施工 Q−07:
合成スラブデッキプレートを梁に接合する方法として、自動焼抜き栓溶接が認められていますが、この工法の標準仕様はどのようなものですか?
また標準仕様で通常のデッキプレートの溶接と異なった項目、制限があればその技術的理由も提示願います。
A: 自動焼抜き栓溶接の標準仕様として以下の1)を提案しパンフレットにまとめて各施工現場にお伝えすることにしています。仕様の各項目の詳細について2)にQ&Aの形でまとめましたので参考に願います。

1) 自動焼抜き栓溶接(A.P.W.)の標準仕様

2) 自動焼抜き栓溶接(A.P.W.)のQ&A
Q-1: 2度打ちを1度打ちにできないか?
A: APW工法では、所定の溶接条件で2度打ちするのを標準にしています。1度目で溶け込みを確保して、2度目で欠陥の発生を防ぎながら余盛り形状を確保します。ただし、小梁上で溶け抜けを生じる場合には、1度打ちで溶接しますが欠陥が発生する場合は補修溶接を行います。
Q-2: 余盛り径と高さの寸法は?
A: 余盛りの径は25mmが標準です。PWと異なりスラグがなく直接外観を判定できる所から25±3mmを所定寸法に設定しています。また余盛りの高さはデッキプレートより上に盛り上がっていることが必要です。
Q-3: スパッタ付着のトラブル防止対策は?
A: APWは炭酸ガスアーク溶接ですから比較的多くのスパッタが発生します。APW工法では、ノズルを冷却する必要上20〜30点溶接毎に専用のノンスパッタ液に浸けて冷却します。
ノズルの焼けを防ぎスパッタ除去が容易になり作業性が一段と向上します。なお、ノズルの浸漬直後の溶接は溶接点に膨れを生じることがありますが再溶接で補修して下さい。
Q-4: 検査の方法は?
A: 溶接部の検査は外観検査で行ないます。自動溶接ですから溶接点は安定しているので標準条件を守ることが大切です。なお、プルフィーダー付属のダイアルと溶接機付属のメーターでは表示値が多少異なります。メーターの値を確認して溶接条件を調整して下さい。
Q-5: 電源容量は?
A: APWでは、三相、200Vの18KVA以上の仮設電源か、35KVA以上のジェネレーターを用意して下さい。また、電源の漏電ブレーカーとしてはインバータ一対応の物を使用します。電源容量が200V±10%の範囲を超えていたり漏電ブレーカーがインバーター対応でない場合には、溶接機の赤ランプが点灯し、スイッチが入りません。
Q-6: デッキと梁の表面条件は?
A: APW工法の採用できる条件は次の組合せです。
      デッキ/板厚:1.2、1.6 mm 表面条件:Z12、Z27、裏面塗装(一般錆止め)
      梁  / 黒皮、一般錆止塗装
                   注)鉛丹系、ジンククロメート系錆止塗装の場合は欠陥が発生しますので避けて下さい。
Q-7: 隙間の影響は?
A: デッキと梁フランジの隙間は2mm程度までは良い溶接ができます。それ以上の隙間の場合には凹を生じますので溶接点の上から再溶接して下さい。
Q-8: 雨の影響は?
A: 雨が降っていたりデッキの上に水が溜っている状態では溶接できません。スタッド溶接の場合と同じく水を除去することが必要です。
Q-9: 風の影響は?
A: 5m/S程度までは良好な溶接が出来ますがそれ以上では欠陥が発生します。 標準の25リットル/minのレギュレーターを100リットル/minのレギュレーターに取り替えるか適切な防風対策をして下さい。
Q-10: セルラーデッキの場合は?
A: 焼き抜く板厚が2枚になり、亜鉛の量がZ27の2倍になるのでスパッタの発生量が大幅に多くなり、余盛り径、溶け込みが不安定になります。従って、セルラーデッキの溶接条件は標準化していません。


▲ページ先頭へ戻る
ページを閉じる