構造 Q−16:
合成スラブの耐火認定では、ひび割れ拡大防止筋はJIS G3551の溶接金網となっています。
溶接金網の種類の中に、丸鉄線と異形鉄線を用いたものがありますが、どちらを使用しても良いのですか? また、JIS G3551にある鉄筋格子でも良いのですか?
A: 平成14年5月13日付合成スラブの耐火認定では、溶接金網に関する仕様は下記のようになっています。

5  材料の仕様
  5.1(3)溶接金網  「JIS G 3551溶接金網」に規定されたもののうち、線径6mm、網目寸法150mm
          または100mmのものを使用する。
  5.1(4)異形鉄筋  「JIS G3112鉄筋コンクリート用棒鋼」または「JIS G3117鉄筋コンクリート用再生
          棒鋼」に規定されたもののうちSD295A、SD195BおよびSDR295でD10以上を使用する。
7  標準施工図
8  標準施工仕様
  8.5  溶接金網の敷設または異形鉄筋の配筋
   ・ 溶接金網はスラブ上面から30mmのかぶり厚さを確保して床全面に敷き並べる。
    スペーサーは1.0m以下のピッチで用いる。
   ・ 異形鉄筋を用いる場合はD10以上をタテ、ヨコ間隔200mm以下で、スラブ上面から30mmのかぶり
    厚を確保して床全面に敷き並べる。
    配筋の詳細は「JASS 5 鉄筋コンクリート工事」(日本建築学会)

上記の合成スラブ工業会各社の認定は、平成11年9月付けの通則耐火指定が法改正により、平成14年5月13日付の個別認定に移行したものです。そのため溶接金網の材料、継手等は平成11年(1999年)当時のJIS、JASの規定が適用されていると考えられます。
「1997年JASS 5 鉄筋コンクリート工事」「1993年JIS G3551溶接金網」を下記に示しますが、溶接金網として既に異形鉄線も認められていますが、溶接点せん断強さが丸鉄線に比べ低く規定されており、JIS規格そのままの異形鉄線では図11.12は適用できないとして、上図工業会標準施工図ではJIS規格の丸鉄線を想定して、継手も図11.12に限定して記載しています。なお合成スラブの溶接金網は基本的には、ひび割れ拡大防止筋ですが、耐火認定を適用する場合、加熱時には引張り筋として挙動することが推定されますので下記図11.12の(a)応力伝達継手を採用しています。

異形鉄線溶接金網(通称CDメッシュ)の適合
上記認定と、現在の該当JIS規格、JASS 5の規定を勘案して、「JIS G3551-2000 溶接金網及び鉄筋格子」では異形鉄線溶接金網の溶接点せん断強さは220 N/mm2で丸鉄線溶接金網(250 N/mm2)とほぼ同等であり、「JASS 5 鉄筋コンクリート工事 2003」解説でも溶接金網として丸鉄線と異形鉄線は区別していないことより、JIS規格に適合する異形鉄線を用いた溶接金網の「重ね継手」も認定時の機能を保証していると考えられます。以上から各社の(財)日本建築センターの「任意の評定」、及び「耐火認定」の範囲内として使用できるものと考えられます。

CDメッシュ延長筋型継手、添え筋型継手の適合
パワーマット協会からは、溶接点せん断強度を全点250 N/mm2を保証した異形鉄線溶接金網の継手として、直交筋活用継ぎ手(重ね継手)のほかに、突出し長さを延長した延長筋型継手、異形棒鋼を添え筋として使用した添筋型継手の形式の製品名パワーマットWが製品化されています。「異形鉄線40d以上の重ね」をもち、直交筋活用継ぎ手(重ね継手)と同等以上の性能を持つとした、(財)日本建築センターの評定を取得しています。一方「JASS 5 鉄筋コンクリート工事 2003」では、「鉄筋の重ね継手の方法は特記による。特記によらないは場合は下記(1)〜(4)による。」として溶接金網は図11.12としています。継手は基本的に特記によりますので、設計者が、認定仕様は図11.12と同等以上の性能があることを確認して、パワーマットWの延長筋型継ぎ手、添筋型継ぎ手を設計採用することは可能と考えられます。
鉄筋格子の適合
「JIS G3551-2006 溶接金網及び鉄筋格子」の鉄筋格子は、JIS規格の溶接点せん断強さの保証が100 N/mm2と低く、合成スラブの耐火認定の「溶接金網」の仕様として使用することはできません。ただし材料は「JIS G3112鉄筋コンクリート用棒鋼」で、認定の「異形鉄筋」と同一ですので、継手をJASS 5の鉄筋の規定を満足して使用することは可能と考えます。
以上の解釈は合成スラブ工業会の考え方ですが、認定への適合は、建築主事の判断事項ですので最終的には建築主事に確認して下さい。
  
以下参考 JIS G3551-溶接金網、建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事
建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事 1997
11節 鉄筋の加工および組立
11.9 鉄筋の重ね継ぎ手
a.鉄筋の重ね継手の方法は特記による。特記によらない場合は、表11.6による。ただし、D29以上の
   異形鉄筋には、原則として重ね継手は用いない。
b.鉄筋の重ね継ぎ手の方法は、特記による。特記のない場合は、下記(1)〜(4)による。
(1) 隣接鉄筋の重ね継手のずらし方(図 11.9)
(2) スパイラル筋の末端の重ね継手(図 11.10)
(3) スラブ筋の重ね継手(図 11.11)
(4) 溶接金網の重ね継手(図 11.12)
解説
床スラブや壁の配筋には、溶接金網もよく利用される。図11.12は、鉄線の交点の溶接点強度は保証されているJIS規格の溶接金網の継手を示す。異形鉄線溶接金網も、前述のJISに準じて溶接点強度が保証されていれば図11.2でよい。

JIS G3551-1993溶接金網
 材料  JIS G3532の記号SWM-P、SWM-R及びSWM-Iに適合した鉄線
   丸鉄線  溶接点せん断強さ  250 N/mm2
   異形線  溶接点せん断強さ  150 N/mm2

建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事 2003
11節 鉄筋の加工および組立
11.10 鉄筋の重ね継ぎ手
a.鉄筋の重ね継ぎ手の長さは特記による。特記によらない場合は、柱、梁の主筋以外のその他の
   鉄筋の重ね継手の長さは表11.6による。
   ただし、D35以上の異形鉄筋には、原則として重ね継手は用いない。
b.鉄筋の重ね継ぎ手の方法は、特記による。特記のない場合は、下記(1)〜(4)による。
(1) 隣接鉄筋の重ね継手のずらし方(図 11.9)
(2) スパイラル筋の末端の重ね継手(図 11.10)
(3) スラブ筋の重ね継手(図 11.11)
(4) 溶接金網の重ね継手(図 11.12))
解説
床スラブや壁の配筋には、溶接金網もよく利用される。図11.12は、JIS G3551に適合する溶接金網の継手を示す。溶接金網はJIS規格により溶接点のはく離が全溶接点の4%以下で認められているので、図11.12による場合は、継手部の溶接点にははく離がないことを確認して使用する。鉄筋格子は、JIS規格の溶接点せん断強さが溶接金網よりも低く規定されているので、その継手長さは、図11.12によらず特記によるものとした。

JIS G3551-2000 溶接金網及び鉄筋格子
  溶接金網 JIS G3532の記号SWM-P、SWM-C、SWM-R及びSWM-Iに適合した鉄線
  鉄筋格子 JIS G3112のSR235、SR295、SD295A、SD295B、SD345に適合した棒鋼
       溶接金網(丸鉄線)     溶接点せん断強さ 250 N/mm2
       溶接金網(異形鉄線)  溶接点せん断強さ 220 N/mm2
       鉄筋格子                溶接点せん断強さ 100 N/mm2
 
JIS G3551-2006 溶接金網及び鉄筋格子
  溶接金網 JIS G3532の記号SWM-P、SWM-C、SWM-R及びSWM-Iに適合した鉄線
  鉄筋格子 JIS G3112のSR235、SR295、SD295A、SD295B、SD345に適合した棒鋼
       溶接金網(丸鉄線)     溶接点せん断強さ 250 N/mm2
       溶接金網(異形鉄線)  溶接点せん断強さ 220 N/mm2
       鉄筋格子                溶接点せん断強さ 100 N/mm2

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