構造 Q−14:
RC規準では、「コンクリートの引張応力」は普通考慮しない仮定で理論構築している。床の縁辺が固定の時、負曲げに対する応力をコンクリートの引張力で負担する合成スラブの考え方は、RC規準とは整合性がなく、設計者に理解されにくいのではないでしょうか。
A: 合成デッキプレートを用いたデッキ合成スラブ構造は、支持縁の実状に関りなく、単純支持縁として応力解析し、作用する全荷重に対しデッキプレートに生ずる引張応力度およびコンクリート上縁の圧縮最大応力度が長期許容応力度を超えないこと、たわみが実用上支障のない範囲に収まることを確認する事となっております。即ち、デッキ合成スラブは正曲げのみが作用するものとして設計することになっております。
   しかし、デッキプレートの連続、不連続にかかわらず、梁上においてはコンクリートが連続した状態となり、コンクリート硬化後には床仕上荷重や積載荷重により支持縁上のコンクリートには負曲げモーメントによるひび割れの発生が懸念されます。ひび割れがあまり大きくなることは、床の耐荷力上は安全でも、仕上げ材との関係等から好ましくありません。そのため、両端固定梁と仮定した床スラブに、全荷重からデッキプレート自重とコンクリート自重を差し引いた荷重が作用した場合のスパン端部負曲げモーメントによるコンクリートの引張応力度を0.62√(Fc)以下とし、かつひび割れ拡大防止筋配筋を義務付け、その配筋の最小限値を規定しています。この引張応力度は、令第97条に規定されている構造耐力の確認に用いる数値(コンクリートの引張材料強度Fc/10)とは趣旨が異なるもので、デッキ合成スラブの使用上の支障防止に関する規定です。
   以上述べましたように、合成スラブは両端単純支持梁の一方向スラブとして、最大曲げモーメントが発生すると仮定して構造解析をしています。それ故に通常のRCスラブとは基本的に考え方が異なり、RC規準とは設計体系が異なっていることをご理解頂き、御利用下さい。


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