構造 Q−05:
合成スラブを用いた合成梁を設計する際、合成スラブは通常シングルの溶接金網をひび割れ防止筋として用いますが、合成梁の床スラブのせん断補強筋との関係はどのように考えますか。
A: 合成梁の設計については、「各種合成構造設計指針・同解説(日本建築学会)」の第4章に詳細に述べられており、4.5.2床スラブのせん断抵抗の項に、せん断補強筋について解説しています。
4・5節の解説の考え方について、以下に説明します。
長期荷重時
考え方はT型RCスラブと同じです。
右図の断面に作用するせん断力がQとすると、スラブのある断面に働くせん断応力は、その断面より外側のスラブに働く垂直応力の梁軸方向での差が集積したものですから有効幅先端で0、スラブ付け根で最大となり下式で与えられます。
長期荷重時にこの最大せん断応力度をせん断ひび割れ発生応力以下にとどめるよう、を推奨し
ています。このをこえるとスラブ厚の変更が必要となります。
終局状態時
指針4.25式、4.26式より必要鉄筋量は、下端筋、上端筋ともそれぞれ下式以上としているため、合成スラブでの
シングル配筋にあてはめて、下式の2倍以上配筋するものとする。
この面内せん断応力をシャーコネクターの耐力と結びつけて
ここでは右図より1組のシャーコネクターの耐力と、スラブからの1組のシャーコネクターが負担
するせん断力が等しいから、
より算出された。
─ 計算例(1)─
スパン=7.80 M 、小梁 H‐396・199・7・11
合成スラブ用デッキプレート 50-1.2G
コンクリート@80、Fc=21N/mm2
固定荷重WDL= 2500 N/m2
積載荷重WLL= 3900 N/m2 
小梁間隔 3.00M、 合成梁有効幅 B 
スタッドジベル 16φ−@300 =90mm、qs=1.00×6.75=6.75t/本(66.7kN)
不完全合成梁として設計、施工中支保工は設けない
長期荷重時
終局荷重時
∴at=2×0.00117×80×1000=187 mm2/m
        溶接金網 6φ−100×100(at=282 mm2/m)でO K

─ 計算例(2)─
スパン=12.00 m、 小梁 H‐596・199・10・15
合成スラブ用デッキプレート 75-1.2G
コンクリート@80、Fc=18N/mm2
固定荷重WDL= 2,810 N/m2
積載荷重WLL= 3,900 N/m2 
小梁間隔 3.20M 、 合成梁有効幅 B 

スタッドジベル 19φ−@300 =120mm、qs=0.986×8.48=8.36t/本(81.9kN)
不完全合成梁として設計、施工中支保工は設けない
長期荷重時
終局荷重時
∴at=2x0.00172x80x1000=275.2 mm2/m
溶接金網6φ−100×100(at=282 mm2/m)のみの配筋も許されるが余裕をみてスラブ全面
6φ-150×150(at= 188 mm2/m)に加え、D10−@300を梁と直交して配筋する。
(at= 426mm2/m)

─ 参考 ─
大梁を合成梁として設計する場合は、終局状態時の塑性ヒンジ位置を算出してスタッドの算定を行うが、鉛直荷重時が支配的でなければ不完全合成梁として設計することは出来ず、またスラブ有効幅、梁サイズも大なため、通常せん断補強筋は多く要求されるため、溶接金網と別途に設計するのが望ましい。
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