適用 Q−05:
日本建築学会の「各種合成構造設計指針」が改定されましたが、何が変わりましたか?また、合成スラブ構造における同書の取り扱いはどうすればよいのですか?
A: 1985年に日本建築学会から初版が発刊されて以来25年ぶりに改定された本指針は、「第1編 合成梁構造設計指針」、「第2編 デッキ合成スラブ構造設計指針」、「第3編 鉄骨骨組と鉄筋コンクリート耐力壁との合成構造設計指針」、「第4編 各種アンカーボルト設計指針」の4編から構成されており、デッキ合成スラブ構造が第2編で取り扱われていますが、近年の技術環境の変化を考慮して大幅に改定されています。
  デッキ合成スラブ構造については、平成14年国土交通省告示第326号により一般構造方法となり、独立行政法人建築研究所監修「デッキプレート床構造設計・施工規準−2004」(社)日本鉄鋼連盟編集)が、実務設計書として広く使用されている。設計手法は、耐火設計を含めかなりルーチン化され、実務遂行上は大変便利となっているが、ブラックボックス化も心配されています。
  このような状況を踏まえ、必ずしも現在の実務処理のために便利な設計指針を目指すのではなく、デッキ合成スラブ構造の基礎になるもの、デッキ合成スラブの合成性能を評価するための実験手法やその評価方法、デッキ合成スラブ構造の設計の考え方等を提示し、今後の技術開発、利用技術に役立つことを目指したのものとして「各種合成構造設計指針」の中では位置付けられています。

以下に主な改定点とその取り扱いについて説明いたします。
(1) 主な改定点および注意事項
   ・ 使用される用語は、基本的に「デッキプレート床構造設計・施工規準-2004(以下、「デッキ規準」とよぶ)」に準拠している。ただし、(呼び方も含めて)荷重の取り扱いが異なっており注意が必要である。
   ・ 「常用時」および「一時使用時」として荷重の作用状況を定義して取扱っている。
   ・ 単位系が重力単位からSI単位に変更された。
   ・ デッキプレートとコンクリートの合成性能を確認する方法として、合成効果確認実験の方法および実験結果の評価方法について、詳細な解説が追加された。
   ・ 面内せん断力に対する検討の章が追加された。
   ・ 「接合の許容せん断力」の値が、デッキ規準と異なっている。
   ・ 耐火構造及び施工については削除され、規定されていない。
(2) 本書の取り扱い
      まず、「デッキ合成スラブ構造」の法令上の取り扱いについて説明します。
  本構造方法は建築基準法旧第38条による特殊な構法、いわゆる大臣認定構法でしたが、平成14年に、その技術的基準が告示化(*1)され、現在では一般構造として取扱われております。ただし、耐火性能に関しては大臣認定を受ける必要があり、各メーカーがこれを取得し、皆様のご利用に供しています。
  この「デッキ合成スラブ構造」に関する指針・規準類はいくつか発行されており、それぞれ違った役割(位置付け)で利用されています。「各種合成構造設計指針・同解説」については3段目をご参照下さい。

表 「デッキ合成スラブ構造」に関する指針・規準類の位置付けおよび役割
タイトル  発行・編集  位置付けおよび役割
デッキプレート版技術基準解説及び設計・計算例 国総研(*2)
建築研究所(*3)
ほか編集
告示(*1)の解説書である。
告示要求事項の解説とともに構造計算書の作成例も掲載されており、確認申請手続きにおける参考書的な役割をはたしている。
デッキプレート床構造設計・施工規準-2004 (社)日本鉄鋼連盟編集
建築研究所監修
告示および解説書だけでは、法令適合としては良いが、設計上は十分ではない。本書は、施工に関する記述も豊富で、実務設計書としての位置付けである。
各種合成構造設計指針・同解説 (社)日本建築学会編集 デッキ合成スラブの構造設計の基礎となることを主眼に、合成性能の評価方法や設計の基本的な考え方などを示している。
面内せん断力に対する検討についても規定されている。
*1 平成14年建設省告示第326号(デッキプレート版告示)
*2 国土交通省 国土技術政策総合研究所
*3 独立行政法人 建築研究所


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